統計検定3級 2017年11月問題8

問題8

【設問】
ある学年で100点満点のテストを2回実施し、各テストの点数の累積相対度数分布を作成した。このグラフから読み取れるものとして、適切なものを全て答えよ。

(1回目: 実線 2回目: 点線)

【選択肢】

  1. 得点が上位の生徒にとって2回目の方が点数が取りにくかった
  2. 1回目よりも2回目の方が第1四分位数は小さいが第3四分位数は大きい
  3. 1回目の方が2回目よりも標準偏差が小さい

【答え】2, 3

前提知識

度数分布と累積度数分布

  • 度数分布
    特定の値を取る確率を表した分布
  • 累積度数分布
    特定の値よりも小さい値を取る確率を表した分布

より直感的に説明すると、度数分布の面積累積度数分布の高さは同じ値を示します。より数学的に説明すると、微分と積分の関係を表したグラフになります。

相対度数

値が出現した回数度数と呼び、値が出現する確率相対度数と呼びます。統計学では確率を扱うことが多いため、度数分布よりも相対度数分布が使われることが多いです。

相対度数の計算

\begin{align}
&\text{相対度数}=\frac{\text{度数}}{\text{度数の合計}} \\
\end{align}

解説

問題文では累積相対度数分布が示されていますが、相対度数分布の方が解釈が容易になるため、まずはグラフを変換します。元のグラフは50点を中心に点対象であり、1回目のテスト(実線)の方が傾きが大きいため、変換後のグラフは以下のようになります。

(1回目: 実線 2回目: 転線)

ここから、どちらも平均が50点2回目の方が標準偏差が大きいことが分かります。

選択肢

  1. 得点が上位の生徒にとって、2回目(点線)の方が点数が取りにくかった
    誤り(2回目の方が標準偏差が大きいため、成績上位者は高得点が取りやすい)
  2. 1回目(実線)よりも2回目(点線)の方が、第1四分位数は小さいが第3四分位数は大きい
    正しい(2回目の方が標準偏差が大きいため、四分位範囲は大きくなる)
  3. 1回目(実線)の方が2回目(点線)よりも標準偏差が小さい
    正しい(1回目の方が標準偏差が小さい)
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