諸注意
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- 統計検定2級の資格を持つ方を前提に解説していきます
問題4-1
パンとハムの厚み(mm)の期待値と分散は以下の通りである。
- パン: \(E[X]=10, V[X]=1.0^2\)
- ハム: \(E[Y]=3, V[Y]=0.5^2\)
この時、以下の方法で作成したサンドイッチの厚みの分散を答えよ。
- 方法1
⇨ Step1: 全てのパンを切断する(縦横比:100 * 100 ⇨ 100 * 50)
⇨ Step2: ランダムに抜き出した2枚のパンの間にハムを1枚挟む - 方法2
⇨ Step1: パンを切断して、その間にハムを1枚挟む
① \(V(Z_1)=2.25, V(Z_2)=2.25\)
② \(V(Z_1)=2.25, V(Z_2)=4.25\)
③ \(V(Z_1)=4.00, V(Z_2)=2.25\)
④ \(V(Z_1)=4.25, V(Z_2)=2.25\)
⑤ \(V(Z_1)=4.25, V(Z_2)=4.25\)
答え 選択肢 ②
解説
前提知識
分散の性質
- 加法性 (式1-1)
⇨ 確率変数の和の分散は、確率変数の分散の和と等しい - 定数倍の性質 (式1-2)
⇨ 定数は二乗して外に出すことができる
式1
\begin{align}
&V[X+Y] = V[X] + V[Y] & (1) \\
&V[aX] = a^2V[X] & (2) \\
\end{align}
各方法の違い
方法1と2では、サンドイッチの厚みに以下の違いがあります。
- 方法1:切断したパンの中からランダムに2枚を抜き出し、ハムを挟む
⇨ \(Z_1 = X_a + X_b + Y \longleftarrow X_a, X_b\)は独立 - 方法2:1枚のパンを切断して、その間にハムを挟む
⇨ \(Z_2 = X + X + Y\)
分散の計算
サンドイッチの厚みの分散は、分散の加法性と定常倍の性質を用いて以下の通り計算します。
式2(方法1)
\begin{align}
V[Z_1] &= V[X_a + X_b + Y] \\
&= V[X_a] + V[X_b] + V[Y] \\
&= 1.0^2 + 1.0^2 + 0.5^2 \\
&= 2.25 \\
\end{align}
式3(方法2)
\begin{align}
V[Z_2] &= V[X + X + Y] \\
&= V[2X + Y] \\
&= V[2X] + V[Y] \\
&= 2^2V[X] + V[Y] \\
&= 2^2 \cdot 1.0^2 + 0.5^2 \\
&= 4.25 \\
\end{align}
したがって、サンドイッチの分散は方法1では2.25mm, 方法2では4.25mmになります。