【解説】統計検定準1級 2017年問題2

諸注意

  • 問題本文は公式サイトまたは公式問題集を参照してください
  • 統計検定2級の資格を持つ方を前提に解説していきます

問題2-1

ウイルスAの発見率をp、ウイルスの全株数をn株とした時、ウイルスAが1株以上見つかる確率\(\beta\)を求める式をpとnを用いて示せ。なお、ウイルスの検査は全て独立に行われるものとする。

答え \(\beta=1-(1-p)^n\)

解説

補事象

ウイルスAが『1株以上見つかる確率\(\beta\)』と『1株も見つからない確率\(\bar{\beta}\)』の合計確率は100%になります。

式1

\begin{align}
\beta = 1-\bar{\beta} \\
\end{align}

1株も見つからない確率

ウイルスAが1株も見つからない確率は、ウイルスA以外の発見率\((1-p)\)がn株連続で発生する確率と一致します。

式2

\begin{align}
\bar{\beta} = (1-p)^n \\
\end{align}

したがって、ウイルスAが1株以上見つかる確率は\(\beta = 1-(1-p)^n\)になります。

問題2-2

ウイルスAの発見率pが1/10000であり、1株以上見つかる確率\(\beta\)を99%にしたい時、検査するウイルスの株数nを求めよ。なお、必要に応じて式3を用いても良い。

式3

\begin{align}
&ln(1-p) \approx -p \longleftarrow \text{(条件:pが0に十分近い時)} \\
&ln(0.01) \approx -4.6 \\
\end{align}

答え 46,000株

解説

株数の計算

問題2-1の答えに値を代入し、株数nを求めます。

式4(問題2-1の答え)

\begin{align}
\beta &= 1-(1-p)^n \\
\end{align}

式5

\begin{align}
&0.99 = 1-\left(1-\frac{1}{10000}\right)^n \\
&\left(1-\frac{1}{10000}\right)^n = 0.01 \\
&n \cdot ln\left(1-\frac{1}{10000}\right) = ln(0.01) \longleftarrow \text{式3代入} \\
&n \cdot -\frac{1}{10000} = -4.6 \\
\\
&n = 46000 \\
\end{align}

したがって、検査するウイルスの株数は46,000株になります。

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