諸注意
- 問題本文は公式サイトまたは公式問題集を参照してください
- 統計検定2級の資格を持つ方を前提に解説していきます
問題1-1
片道100kmの道のりを, 行きは時速10km, 帰りは時速15kmで往復した。この時、往復の平均時速を求めよ。
答え 時速12km
解説
前提知識
調和平均
同じ距離を異なる速度で移動した時の全体の平均速度を求める時などに使用します。
式1
\begin{align}
\frac{n}{\frac{1}{x_1} + \frac{1}{x_2} + … + \frac{1}{x_n}} \\
\end{align}
例えば、片道の距離を\(d\), 行きの時速を\(x_1\), 帰りの時速を\(x_2\)とした時、全体の平均速度は『全体の移動距離 / 全体の移動に掛かった時間』で求めることができます。
式2
\begin{align}
\text{全体の平均速度} &= \frac{\text{全体の移動距離}}{\text{行きの移動に掛かった時間} + \text{帰りの移動に掛かった時間}} \\
&= \frac{2d}{\frac{d}{x_1} + \frac{d}{x_2}} \\
&= \frac{2}{\frac{1}{x_1} + \frac{1}{x_2}} \\
\end{align}
調和平均
式1に問題文の値を代入して調和平均を求めます。
式3
\begin{align}
\frac{2}{\frac{1}{10} + \frac{1}{15}} = 12 \\
\end{align}
したがって、全体の平均速度は時速12kmになります。
問題1-2
A定食が550円, B定食が500円, C定食が450円である。1週間でA定食が450食, B定食が700食, C定食が850食の売り上げがあった時、定食一食あたりの平均金額を求めよ。
答え 490円
解説
前提知識
加重平均
重みが異なる値の平均を求める時に使用します。
式4
\begin{align}
\frac{(x_1 \cdot w_1) + (x_2 \cdot w_2) + … + (x_n \cdot w_n)}{w_1+w_2+…+w_n} \\
\end{align}
加重平均
式4に問題文の値を代入して調和平均を求めます。
式5
\begin{align}
\frac{(550 \cdot 450) + (500 \cdot 700) + (450 \cdot 850)}{450+700+850} = 490 \\
\end{align}
したがって、定食一食あたりの平均金額は490円になります。
問題1-3
消費者物価指数の伸び率が(1.044, 0.982, 1.025, 0.991)であった。この4年間の1年あたりの平均伸び率を小数点以下第2位まで求めよ。
答え 1.01倍
解説
前提知識
幾何平均
積的な性質を持つデータ(比率や成長率など)の平均を求める時に使用します。
式6
\begin{align}
(x_1 \cdot x_2 \cdot … \cdot x_n)^{\frac{1}{n}} \\
\end{align}
幾何平均
式6に問題文の値を代入して幾何平均を求めます。
式7
\begin{align}
(1.044 \cdot 0.982 \cdot 1.025 \cdot 0.991)^{\frac{1}{4}} = 1.01 \\
\end{align}
したがって、平均伸び率は1.01倍になります。