統計検定3級 2017年11月問題14

問題14

【設問】
各変数の関連性を表す指標である共分散と[inline_accordion word=”相関係数”]

相関係数は、変数XとYの線形関係の強さと方向を示す指標です。共分散を標準化した値であり、-1から1までの範囲で値が変動します。

  • +1: 完全な正の相関
    ⇨ 片方の変数が増加すると、もう片方の変数も増加する
  • 0: 無相関
    ⇨ 変数XとYの間に関連がない
  • -1: 完全な負の相関
    ⇨ 片方の変数が増加すると、もう片方の変数が減少する

相関係数の求め方

\begin{align}
\text{相関係数} &= \frac{\text{XとYの共分散}}{\text{Xの標準偏差} \cdot \text{Yの標準偏差}} \\
\\
&= \frac{\frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} (x_i-\bar{x})(y_i-\bar{y})}{\sqrt{\frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} (x_i-\bar{x})^2} \cdot \sqrt{\frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} (y_i-\bar{y})^2}} \\
\end{align}

相関係数の特性
相関係数は共分散を標準化して求めるため、線形変換(加法とスカラー乗法)によって値が変化することはありません。

スケール不変性

\begin{align}
&Cor(X, Y) = COR(X, aY+b) \\
\end{align}

[/inline_accordion]に関することとして、正しいものを全て答えよ。

【選択肢】

  1. 共分散は2つの変数の関係性の強さを測っており、2つの変数間に強い相関がある時に限り、共分散の値は大きくなる。
  2. 2つの変数の相関係数と、その2つの変数をそれぞれ基準化した変数の共分散は一致する。
  3. 2つの変数の一方のみ、単位を変更する(例えば、身長と体重の相関関係を考える際に、身長の単位をmからcmに変更など)とき、この2つの変数の共分散の値は変わるが相関係数の値は変わらない。

【答え】2, 3

解説

  1. 共分散は2つの変数の関係性の強さを測っており、2つの変数間に強い相関がある時に限り、共分散の値は大きくなる。
    誤り(相関係数の説明であり、共分散の値は単位の変化などにより変化する)
  2. 2つの変数の相関係数と、その2つの変数をそれぞれ基準化した変数の共分散は一致する。
    正しい
  3. 2つの変数の一方のみ、単位を変更する(例えば、身長と体重の相関関係を考える際に、身長の単位をmからcmに変更など)とき、この2つの変数の共分散の値は変わるが相関係数の値は変わらない。
    正しい
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